孫との年の差50歳 現役76歳マッククルー
高齢化社会で変わる働き方――家族3世代が活躍するマクドナルドの取り組み総務省が発表した2023年9月の全国就業者数は6814万人で、前年比27万人増加しました。その中で女性の就業者数は3108万人となり、1953年以降で過去最多を記録。少子高齢化と人口減少が進む日本では、働き方や雇用形態の変化が求められています。特に注目されるのが、シニア世代や多様な働き方を受け入れる企業の取り組みです。
来年4月からは、企業に対し65歳までの定年引き上げや継続雇用制度の導入、または定年制廃止が義務化されるなど、高齢者の雇用促進が進められる見込みです。そうした中、アルバイトやパートスタッフに定年を設けず、幅広い年代が活躍できる場を提供しているマクドナルドの事例が注目されています。
今回は、静岡県のマクドナルド沓谷店で働く山崎さん一家を取材し、家族3世代にわたる働き方のストーリーを伺いました。
娘の職場がきっかけで新たな道へ
マクドナルド沓谷店でシフトマネージャーを務める山崎友美さん(48歳)は、2016年6月に同店で働き始めました。そのきっかけは、特別支援学校を卒業した娘さんが同じ店舗で働いていたことでした。
「娘が仕事を始めたばかりの頃、彼女の様子が気になってよく店舗に顔を出していました。すると店長から『一緒に働きませんか』と誘われたんです」と山崎さん。以前は放課後等デイサービスのスタッフとして働いており、支援が必要な子どもたちを学校から迎えに行き、親御さんが帰宅するまでのサポートを行っていました。しかし、その仕事を辞め、転職を考えていたタイミングだったこともあり、マクドナルドでの仕事に挑戦することを決めたといいます。
新しい環境での発見と成長
「最初は『私には向いていない』と思っていました。忙しそうですし、横文字が多くて難しそうだと感じていたからです」と山崎さん。それでも働き始めてみると、職場環境の良さや仕事を通じて得られる達成感に魅力を感じるようになったそうです。
現在、山崎さんはシフトマネージャーとして調理や接客を行うだけでなく、時間帯ごとの店舗管理を担当。職場では「ママ」と親しまれ、同僚やお客様からも信頼される存在となっています。
「職場が娘と一緒なので、定期的に元気な顔を見られるのが嬉しいですね。娘とは別々に暮らしていますが、仕事を通じて絆が深まった気がします」と微笑む山崎さん。その笑顔から、家族との仕事を共有することで得られる安心感と喜びが伝わってきます。
家族3世代で働く意義とは
山崎さん一家は、現在マクドナルドで家族3世代が働いています。このような形での働き方は、世代を超えた絆やコミュニケーションを深めるだけでなく、それぞれの役割や得意分野を活かした柔軟な労働環境を作り出します。
例えば、若い世代はデジタルツールの操作や新しい顧客サービスの提案で活躍し、シニア世代はその経験と知識を生かして後輩を指導。マクドナルドのような多様性を重視する企業では、こうした世代間の協力が企業の成長を支える重要な要素となっています。
働き方が変わる社会で求められる企業の姿
高齢化社会が進む日本では、年齢や背景を問わず多様な働き方を支援する企業の重要性がますます高まっています。マクドナルドのように、柔軟な雇用制度を導入し、多様な世代が活躍できる場を提供する取り組みは、これからの日本の働き方のモデルケースといえるでしょう。
山崎さん一家のように、家族で支え合いながら働く姿は、単なる労働の枠を超え、社会の中での人と人とのつながりの大切さを教えてくれます。そして、こうした取り組みがより多くの企業に広がることで、高齢化社会における働き方の未来が明るいものになることを期待したいものです。
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