〜再発を防ぎ、痛みと上手につき合うために〜
「七転八倒の痛み」とも表現される尿管結石。
突然の激痛で救急外来に駆け込む方も少なくなく、日本でも年間約100万人が悩まされているといわれます。いったん発症すると再発率も高いため、治療後の生活習慣改善も大切です。ここでは、尿管結石の原因から治療法、改善対策や予防法まで詳しく解説します。
尿管結石とは?
尿管結石は、腎臓で作られた結石(固まったミネラルのかたまり)が尿管に移動して詰まり、尿の流れを妨げる病気です。尿の通り道が塞がれることで、尿管が拡張し、腎臓に圧がかかり、強烈な腰背部の痛みが生じます。
痛みのほかに、血尿、吐き気、頻尿、発熱などが伴う場合もあります。
結石の主な種類は以下の通りです。
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シュウ酸カルシウム結石(最も多いタイプ)
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尿酸結石
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リン酸カルシウム結石
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シスチン結石(遺伝的要因)
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尿管結石の原因
結石ができる背景には、体質や生活習慣が深く関わっています。
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水分不足
尿の量が少ないと結石の元となるミネラルが濃縮され、固まりやすくなります。 -
食生活
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動物性タンパク質の過剰摂取
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高シュウ酸食品(ほうれん草、チョコレート、紅茶など)の取り過ぎ
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塩分過多
これらが尿の成分バランスを崩し、結石形成につながります。
治療法
結石の大きさや症状によって治療は大きく変わります。
1. 保存療法(自然排石を待つ)
結石が 5mm以下 の場合、多くは自然に排出されます。
2. 薬物療法
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α遮断薬:尿管を広げ、結石の排出を促す
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尿酸結石の場合:尿をアルカリ化させる薬(クエン酸製剤など)
3. 体外衝撃波結石破砕術(ESWL)
体外から衝撃波を当て、結石を細かく砕いて自然排出させます。
体への負担が少なく、最も一般的な治療法です。
4. 内視鏡的治療(TUL、URS)
尿管鏡を挿入して直接レーザーで結石を砕き、取り除く方法。
結石が大きい場合やESWLで効果がなかった場合に行われます。
5. 外科手術
ごく稀に、巨大結石や合併症がある場合に外科的に取り出します。
改善対策と再発予防
尿管結石は再発率が高い病気です。5年以内に約50%が再発するともいわれます。そのため、治療後の生活習慣改善がとても重要です。
1. 水分摂取
最も有効な対策は 尿量を増やすこと。
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1日2〜3リットルを目安にこまめに水を飲む
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就寝前や入浴後、運動後の水分補給も忘れずに
2. 食生活の工夫
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塩分を控える:塩分はカルシウム排泄を増やし、結石のリスクを高めます
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動物性タンパク質を摂りすぎない:肉や魚の過剰摂取は尿酸結石の原因に
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シュウ酸を多く含む食品を控える:ほうれん草、ナッツ、チョコ、紅茶などは食べ過ぎ注意
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カルシウムを適量摂る:逆にカルシウム不足は結石を作りやすくします。牛乳や小魚などからバランス良く摂取
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クエン酸を意識して摂る:レモン、グレープフルーツ、梅干しなどは結石予防に効果的
3. 規則正しい生活
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適度な運動で尿流を良くする
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肥満を防ぐ
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アルコールは控えめに
4. 定期検査
一度結石ができた方は、定期的に泌尿器科で検査を受けることも大切です。尿検査やエコー、CTなどで早期に発見すれば、重症化を防げます。
「痛みがある時の対処」
発作的な痛みが出た場合は、無理をせず速やかに医療機関を受診することが重要です。
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鎮痛薬で痛みを抑える
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水を飲んで排尿を促す
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体勢を変えてみる(膝を抱える、四つん這いなどで楽になる場合も)
ただし、発熱や強い吐き気を伴う場合は、感染症を合併している可能性があるため、すぐに救急外来へ行く必要があります。
まとめ
尿管結石は誰にでも起こり得る身近な病気ですが、その痛みの強烈さや再発の多さから「生活習慣病の一つ」ともいえます。
治療法は進歩しており、結石の大きさに応じて自然排石からESWL、内視鏡治療まで選択肢がありますが、根本的には 生活習慣の改善と予防 が鍵となります。
毎日の水分補給、バランスの取れた食生活、適度な運動を心がけることで、再発を防ぎ、快適な生活を取り戻すことができます。
「尿管結石は痛みだけの病気」ではなく、「生活の見直しのサイン」として受け止め、長期的な健康管理に役立てていきましょう。
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