紅白歌合戦、スタート社アーティストが再び出場見送り—その理由と影響を考察

NHK紅白歌合戦、スタート社所属アーティスト2年連続出場ゼロで最終調整

大みそか恒例の「NHK紅白歌合戦」。その舞台にスタート社（STARTO ENTERTAINMENT）所属のアーティストが出場しない方向で最終調整が進んでいることが明らかになりました。この状況は、旧ジャニーズ事務所が管理していた第30回（1979年）以来、昨年に続いて2年連続の「ゼロ出場」を意味します。昨年はジャニー喜多川氏の性加害問題を背景に、NHKが旧ジャニーズ事務所所属タレントの新規起用を見送った初の年となりました。

NHK側からのオファーも、スタート社が判断

関係者によれば、NHK側からスタート社所属の複数グループに対して出場オファーがあったものの、社内での協議の結果、今年も紅白への出場を見送る判断が下されたようです。この判断には、タレント自身やスタッフの意見も大きく影響したとされています。同社内には、「これまでの経緯から紅白への出場に複雑な思いがある」という声が少なくないようです。

NHKとスタート社の関係修復の歩み

NHKは昨年9月、旧ジャニーズ事務所創業者ジャニー喜多川氏による性加害問題を受け、所属タレントの新規出演依頼を当面見送る方針を発表。その結果、昨年の紅白歌合戦では、旧ジャニーズ事務所所属アーティストの出場が完全に途絶える形となりました。今年3月末には、NHKが既存のレギュラー番組も含めて出演を全面的に打ち切り、両者の関係は一時的に完全に途絶えた形でした。

しかし、スタート社が旧ジャニーズ事務所から業務を引き継ぎ、被害者補償や再発防止策に取り組む姿勢を見せたことが評価され、先月16日の定例会見でNHK稲葉延雄会長が、スタート社所属タレントの起用再開を発表しました。この再開は、紅白歌合戦の制作に直接関与したものではないとしつつも、契約再開が制作現場の判断で可能となったことを明言しました。

複雑な思いを抱えるスタート社内のタレントたち

スタート社には現在も、旧ジャニーズ事務所時代から紅白に出場し続けたタレントやグループが多数所属しています。紅白歌合戦は日本国内外で認知度が高く、多くのアーティストが目標とする大舞台であり、過去に何度も出場経験のあるタレントにとっても特別な場所です。しかし、昨年の出場見送りや、それに続くNHKとの関係断絶の経緯から、一部のタレントやスタッフには紅白出場に対する複雑な感情が残っているとされています。

若手グループの企画出演に可能性？

一方で、レコード会社関係者の中には、今回の紅白において、一部タレントが企画枠で出演したり、若手グループが出場する可能性が完全に消えたわけではないとの見方もあります。紅白歌合戦の正式な出場者発表が近づく中、最終的な調整がどのような形で落ち着くのか、注目が集まります。

紅白歌合戦の行方とスタート社の今後

紅白歌合戦は依然として多くのアーティストが憧れる舞台であり、日本の音楽シーンにとって象徴的な存在です。今年もスタート社所属アーティストが出場ゼロとなる場合、同社としての活動方針や、他のテレビ局における取り扱いにも影響を与える可能性があります。一方で、被害者補償や再発防止への取り組みを継続するスタート社が、時間をかけて信頼を回復し、新たな形で紅白の舞台に戻る日が訪れることを期待する声もあります。

正式な出場者発表が待たれる中、この問題は音楽業界全体にも大きな影響を及ぼしており、今後の動向が注目されています。